ごみ屋敷が近年急増

 近年ごみ屋敷が急増していると言われています。

それはなぜなのでしょうか。

その前に、私達はごみが住居の中や外に散乱している住居をごみ屋敷と呼んでいますが、住んでいる当事者はごみ屋敷だと思っていないことを頭に入れておく必要があります。

しかしそのことを考慮しても「ごみ屋敷」が近年急増していることは事実でしょう。

500世帯のうち、必ず数世帯はごみ屋敷ということも大げさではないようです。

ごみ屋敷問題は、地域や家族の崩壊、高齢化、孤立など現実の日本の問題を反映しています。

先ほども述べましたが、ごみ屋敷とはごみ集積場所ではない建物で、ごみが積み重ねられた状態で放置された建物、もしくは土地と定義できます。

悪臭やネズミ・害虫などにより近隣の住民に被害が及ぶだけでなく、火災や放火などの犯罪にあいやすいことから現在問題にされています。

ごみ屋敷の住人の中には、居住者が自ら出したごみだけでなく、近隣の集積場所からごみを運び込んだり、リサイクル業を営んでいると偽りごみをため込む人もいます。

収集癖の結果としてごみ屋敷になっているようですが、理由はいまだに明らかにされていません。

第三者が明らかにごみだと思われるものが家の中や敷地内に堆積していても、本人がごみでないと主張すれば、行政や近隣住民はなかなか強制的に排除できません。

私有地にあたる家や敷地内から第三者が持ち出せば、財産権の侵害につながることもありますし、敷地や建物に立ち入ることも住居侵入罪にあたる可能性があるでしょう。

ごみマンションも急増

 ごみ屋敷とは異なる「ごみマンション」が近年急速に増え続けており、「一軒家のごみ屋敷の千倍の件数」にもなると言われています。

もちろん住人はワンルーム、アパートなどに住んでおり、定職を持ち、普通に社会生活を送っています。

しかし部屋にごみが溜まっていることを周囲に隠しており、人を自宅に迎えることはほぼ不可能でしょう。

単身世帯増加、ごみ分別の複雑化、夜間労働者の増加、コンビニ食材の消費拡大などが要因と言われていますが、ごみマンションの原因については、まだきちんとした体系的な研究が少ないのが現状です。

ごみを部屋に溜め込んでしまう人の特徴として「収集癖がある」「捨てられない性格」「だらしなさ」があげられます。

「ホーディング」と呼ばれる人は、ものに対する強い愛着が特徴で、例えば新聞の切り端など、なんでもないものまで捨てることが難しいようです。

「もの」が「ただのもの」ではなく、一つ一つに自分の人生を重ねたり、この「もの」に巡り会えたことは何らかの意味が込められている、と感じてしまうようですね。

一般的には正常に社会生活を送り、比較的若い人のごみマンションのケースではまだ病的なレベルではないようです。

どちらかというと「だらしなさ」の要因が大きいのではないでしょうか。

セルフ・ネグレクトが原因か

 先ほど述べた「だらしなさ」は、一種のセルフ・ネグレクトの域に達しているのかもしれません。

セルフ・ネグレクトとは生活上すべき行動をしない、または、する能力がないことで、心身の安全や健康が脅かされる状態です。

家の前や室内にごみが散乱している、極端に汚れた衣服を着ている、ケガをしているのに治療やケアを拒否する、などが見受けられるでしょう。

また「失った何かへの未練」や「自己評価の低さ」等セルフ・ネグレクトの根底には、深い失望や絶望があるようです。

ごみマンションの場合、軽症でもセルフ・ネグレクトになったということは、やはり人生において何かで失望しているのかもしれません。

単身で周囲とは孤立した都市生活、報われない不規則労働、コンビニ弁当中心の食事といった中で、次第にそうなっていき、住まいはごみで埋もれていく・・。

数多くの比較的若い世代の人たちがこのような状況にいるというのは、悲しい事態ですね。