近隣住民に広がるごみ屋敷問題

 敷地内に大量の廃棄物をため込んだごみ屋敷。

周囲に悪臭が広がり、衛生上の問題もあることから周りの住民は迷惑してしまいますよね。

ごみ屋敷の住人へごみを撤去して欲しいと申し入れても、住人が反対してしまえば強制的に撤去することはなかなか難しいのが現状だということは以前にも述べました。

このようにスムーズに問題が進まない事を受けて、自治体がごみの撤去を勧告できるようにする「ごみ屋敷禁止法案」が国会に提出されました。

この法案では、「ごみ屋敷」が原因で周辺の生活環境が損なわれている場合、自治体がごみの撤去を勧告できるようにするものです。

その勧告に従わなかった場合は50万円以下の罰金となります。

一方で、撤去に費用がかかる場合の費用補助も盛り込まれました。

行政が「ごみ屋敷」に対処できない最大の原因は何でしょうか。

それは「ごみ」と「ごみではないもの」の区別が難しい点ではないのでしょうか。

ごみ屋敷の住人が「これはごみではありません」と言い張ったらどうしようもありません。

不要なものかどうかは持ち主の考え方によりますよね。

ある人にとっては不要であっても、他の人にとっては使えるものであったり、価値のあるものです。

確かに家族の間でも、ものを「捨てる」「捨てない」でケンカになることがあります。

自治体は生活環境が損なわれている原因が「大量のごみ」であるかどうか、きちんと判断できなければ、撤去勧告もできず、刑事罰を科するには、法的に厳密な認定が必要になります。

ですから、このようなごみの定義は大変重要なのです。

多くの場合、ごみ屋敷の主人が「勧告に応じない」という事態が予想されます。

そのような場合、例え罰金を科してもなかなか事態は改善しないでしょう。

ごみ屋敷の住人は貧困や社会的からの孤立など、様々な問題を抱えていることも多いようです。

ごみ屋敷への対処については、そうした視点も踏まえたうえで、どのような対処が良いのか、議論をしていく必要があるでしょう。

ごみ屋敷によるトラブル

 ごみ屋敷によるトラブルはいくつかありますが、その中で多いのはごみの山から発せられる悪臭、ごみに群がる害虫です。

ごみ屋敷の周囲が公共の場だとしたら問題ですよね。

敷地以外にまでごみがはみ出しており、十分な道幅が確保できなくなります。

災害が起こった時の避難経路として機能しているとは言いがたいですよね。

その為何かあってからでは遅く、取り返しもつかなくなるでしょう。

まずはごみ屋敷に住む当人に近隣が迷惑をしていることを分かってもらうのが一番なのですが、ここまでごみ屋敷となってしまえば、すでに人の意見を聞く耳など持たず、むしろ自分を正当化しようとする方が大半です。

こうなってしまったら、どこに相談すればいいのでしょう。

地域の役所へ相談するのも一つの策です。

家主も個人の言い分だと聞く耳を持たないかもしれませんが、行政が介入するとまた違ってくるかもしれません。

ごみ屋敷住人とのトラブルを解決できた事例としては、家主への粘り強い説得の末、心を開かせて片づけることに成功したケース、ごみ放置の末に塀の損傷など家屋倒壊の危機があるとして法律に基づいて解決したケース、度重なる行政の改善命令に従わず、悪臭を発生させ、これを公害とみなして最終的には警察により逮捕となったケースなど色々挙げられます。

しかしどのケースにおいても、解決に至るまでは一筋縄では行かず、多くの時間と労力を費やし、近隣住民にとっても中々心休まる時がなかったのではないでしょうか。

犯罪などのように直接命に関わるものではないのですが、毎日漂ってくる悪臭や害虫による被害は想像を遥かに超えますね。