なぜごみ屋敷に執着するのか?

 そもそもなぜごみやごみ屋敷に執着してしまうのでしょうか。

まずごみ屋敷をつくってしまう人には特徴があります。

ものへの執着が非常に強いという性格の人は、家をごみ屋敷にしてしまう可能性が高いと思います。

まず初期段階として現れるのは洋服ではないでしょうか。

もう着ていない洋服でも、「いつかまだ着るかもしれない…」と思ったことは誰にでもあるはずです。

まだその段階であればごみ屋敷になることはないでしょうが、使えなくなった家電や家具なども捨てるのはもったいない、と家に残しておきたくなるとどんどんごみ屋敷化していってしまいます。

この段階で片付けができれば問題ないのですが、ここで片付けや処分ができなくなると、さらにごみ屋敷へ近付くことになります。

周りから見ればごみであっても、自分はごみだと思っていないので、捨てようという気持ちが起きないのでしょう。

高齢者に多いのは、ものを溜め込むだけではなく、拾ってきてしまうパターンです。

まだ使えそうだとか、捨てるのはもったいないからなどと理由をつけて拾ってきてしまうのです。

これもものへの執着が強いことが原因となっています。

ですからごみに執着し、それがごみ屋敷を作り上げて、ごみ屋敷に執着することになってしまうのでしょう。

ライフイベント型

 ゴミ屋敷にしてしまうきっかけは様々なタイプがあります。

人間にとって最もストレスを感じるライフイベントは、配偶者との死別のようです。

女性は夫を亡くしても、新たな楽しみを見つけて比較的元気に生きている方が多いように見えますが、男性の場合、妻に先立たれると、自分がこれから何を目標にして生きていけばよいのか、人生に絶望してしまうケースが多々あるようです。

ここで2つの例をあげて考えていきましょう。

・妻が出ていき1人暮らしで生活が破綻してしまった事例
この方は、難聴で些細なことで妻とよくケンカ。

またストレスを酒で紛らわすようになり、暴力をふるうようにもなり、妻は家を出ていきました。

信頼できる人がいなくなり、生きる意欲を失い、食事やごみ捨てを拒否するようになり、家は、ごみ屋敷となってしまいました。

・妻を亡くして持病もひどくなり、生きる意欲を失った事例
この方は妻を亡くし、持病の腰痛もひどくなり、「もう死にたい」という言葉を口に出すようになりました。

この言葉は、必ずしも本心を表しているわけではありませんね。

「死にたいくらい辛い」状況に置かれている、そのような人にこそ、手を差し伸べるべきですよね。

そして少しでもそれが解決すれば、きっと次の希望が見出せるはずなのです。

こうした自分の人生の中で起きた出来事が原因で、ごみ屋敷が出来てしまうのがライフイベント型のごみ屋敷です。

もともとからごみをため込む習慣がある人たちばかりが、ごみ屋敷を作るわけではないのです。

プライド型

 プライド維持型のごみ屋敷を作る人は、ライフスタイルの変更を余儀なくされる状況でありながら、それまでの生活パターンを変更することができないタイプです。

お金がないのに、これまでの買い物癖を変えることができず、高級な品を購入してしまったりします。

例えば、バブルの頃ぜいたくな暮らしをしていましたが、バブルの崩壊とともに、商売がうまくいかなる場合です。

少しずつ経営は傾いているのに、バブル期のぜいたくな暮らしは継続、よって多額の借金ができてしまいます。

やがて販売していた商品も売れ残り家の中ももので埋まってしまいました。

このような状況にも関わらず、当の本人はさほど違和感や大変さを実感することはなかったようです。

なぜならば、身の回りにしかスペースがない状態になるまで、数年かかっていたためのようです。

この場合は、幸い親戚が地域の支援センターに相談しました。

もし親族がいない場合、このような事例はそのままで、やがて近隣からも悪臭の苦情が出るようになるのです。

難しいのは、何度も述べたように、他人にはごみの山のように見えても、本人には長い年月の間に集めた「宝の山」であったり、「財産」であったりすることです。

必ず本人に話をして、了解を得てから片づけることはもちろんですが、一度納得したとしても、認知症や記憶力の低下などにより、状況が変化する可能性は考えられます。

他人からごみと思われるものでも、何度でも繰り返し確認しながら進めることが必要です。

このケースのように、ごみ屋敷を作ってしまう人の多くは、資産家、元資産家であることも少なくありません。

そして、その多くは高齢で独身です。

独身の理由は、死別、離婚、もともと独身など様々です。

周りに知人友人がおらず、また親類縁者とも疎遠であるので、地域から孤立しているケースが多いです。

まずは声かけから始められたらいいですね。